「国有林ゲート〜ふんどし〜麦平コース」を更新いたしました。
土湯自然観察紀行 
やまがっこう  
土湯の森から自然を学んだ 


土湯温泉町は、僕の自宅から車で15分もあれば行けてしまう所にある。自然観察を始める前から、僕にとっては縁のある温泉町だった。平成5年の頃に腰を痛めて、しのぶ病院に通院しながら、毎朝6時に土湯温泉公衆浴場「中の湯」(当時1回50円)に行って熱いお湯で腰を温めてから出勤するというタフな湯治を続けたら、腰痛は2箇月くらいで癒えた記憶がある。腰椎にブロック注射(ものすごく痛い)をするのがイヤで、必死に朝15分間の湯治に通ったものである。

平成12年に登山を始めて、平成13年に「高山の原生林を守る会」に入会して同会の自然観察会に参加するようになってから、土湯は自然観察の場所としてさらに身近になった。そして、土湯という地区の面積の広さ、自然の豊かさとダイナミックさ、数多い観察スポットに感激した覚えがある。国道115号線を登った天沼あたりから、鬼面山麓、土湯峠まで、さらに吾妻連峰の麦平や高山に至るまでが土湯温泉町という大字なのだ。地形的には、荒川の上流域の左右稜線そして源流域までが広義の土湯地区で、僕にとっては足を運んでいない場所の方がはるかに多い。無数の自然観察スポット、豊かで多様な植生は無限の魅力を秘めている。

土湯の地形は荒川が軸となっている。荒川の北側には吾妻連峰高山山麓の稜線が延びており、南側には鬼面山から箕輪山に至る安達太良連峰稜線そして箕輪山から僧悟台への稜線が延びている。水源地は鳥子平である。

土湯の自然は、吾妻・安達太良連峰の積雪に裏付けられた豊かな水量が、荒川に流れ込む幾多の支流が刻む地形を潤すことにより支えられている。さらに、荒川上流域にひろがる広大なブナ林が豊かな自然を維持していると言っても過言ではない。

吾妻・安達太良連峰、そして荒川の流れ、広大なブナ林というバランスにより土湯の自然は今日まで維持されてきたのだ。

このバランスの一角が崩れると、土湯の自然は壊れはじまる。1987年に高山にスキー場計画が持ち上がった時、自然保護の意識ある市民が立ち上がり、福島市にスキー場計画の見直しを求めたことがあった。このとき「高山の原生林を守る会」が結成された。やがて、高山を含む吾妻連峰が森林生態系保護地域に設定され、高山山麓のブナ林は守られた。


僕が「高山の原生林を守る会」に入会したのは平成13年(2001年)だから、高山スキー場計画が事実上凍結してからの「戦後世代」ではあるが、現代表の佐藤守さんや事務局長の奥田博さんたちから当時の話を聞いて、自然保護に向けた草の根的な市民パワーの素晴らしさに感動したものである。

「高山の原生林を守る会」の自然観察会に参加するようになり、平成13年の春から、僕も積極的に土湯山中に足を運んだ。毎週のように足しげく通った。何度も通って少しずつ植物の名前を覚えた。

僕にとって土湯の森は、初めて植物の名前を覚えた自然の学び舎であり、土湯の自然は恩師と言えよう。師の恩に報いるためにも、これからも土湯の自然が保全されてゆくことを願わずにはいられない。
  

参考文献

高山の原生林を守る会 1988年『高山 吾妻連峰高山スキー場建設問題を考える』東北の自然第四八号(臨時増刊号)

高山の原生林を守る会 1991年『高山 吾妻山麓リゾート構想 私たちの提言』

吾妻連峰森林生態系保護地域設定協議会・高山の原生林を守る会 1994年『吾妻連峰 吾妻山森林生態系保護地域設定調査報告』

若林健二・奥田博 1995年『ふくしま ブナ巡礼』歴史春秋社

高山の原生林を守る会 1997年『吾妻・安達太良・磐梯山 森ガイド』歴史春秋社

高山の原生林を守る会 1998年『吾妻・安達太良・磐梯山 花ガイド』歴史春秋社

高山の原生林を守る会 2003年『福島花紀行 奥羽山脈編』歴史春秋社

  

土湯の自然については高山の原生林を守る会(←ここをクリック)のホームページもご覧ください。  

土湯における自然観察スポットは、かなりたくさんある。月並みな表現だが、10年かけて歩いても周り切れていない。年間を通してみれば、厳冬期は鬼面山麓雪のブナ林。3月末から4月初めにかけてはビッキ沼の水芭蕉を見に何度も通う。4月中旬からは忙しくなる。土湯温泉街から不動湯にかけてのコースでカタクリの群落、4月下旬以降は天沼周辺、再びビッキ沼周辺、仁田沼周辺を散策する。5月上旬は天沼周辺、栂森周辺、男沼〜女沼周辺、西鴉川流域、土湯峠湿原周辺。5月後半は天沼周辺、的場川周辺、国有林ゲート〜背峰〜ふんどし〜麦平コース、きぼっこの森湿原、鬼面山。6月は鬼面山、幕滝周辺、鳥子平周辺。7月は鬼面山〜箕輪山、鳥子平〜高山、鳥子平〜景場平〜東吾妻、、、こんな感じだ。それぞれのコース一回では観察しきれないので何度か通う。秋は秋で紅葉を楽しむ。

僕も、土湯方面ばかり自然観察しているわけにはいかないので、毎年通える土湯の自然観察スポットは限られてしまう。それだけ素晴らしい場所とは言えよう。

土湯の風景アラカルト

A r c h i v e s 

ビッキ沼周辺

仁田沼〜男沼〜女沼

栂森周辺
 公開中 制作中 企画中 
台ケ森周辺

不動湯周辺

土湯温泉街〜西鴉川
企画中  企画中  企画中

荒川中流域(天沼周辺)

振子沢〜的場川 国有林ゲート〜ふんどし〜麦平
 企画中  企画中 公開中
土湯峠湿原周辺 鬼面山 鬼面山〜箕輪山 
 企画中  企画中  企画中
幕滝周辺 幕滝〜麦平 鳥子平〜高山
 企画中  企画中  企画中
鳥子平〜景場平〜東吾妻山    
 企画中    

これらのコンテンツは、順次公開に向けて制作を続けます。のんびりと制作していきますが、現地踏査・取材も継続して行きますので、さらにコンテンツが増えることがあるかもしれません。このコンテンツ集をご覧になられても、土湯の自然がいかに豊富か実感できると思います。

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土湯の自然環境を永遠に守りたいです  
 
リンク集 
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土湯自然観察最新情報 
例年より早く梅雨が明けました。本格的な夏山シーズン幕開けです。今年は安達太良連峰の残雪から放射性セシウム134+137が多く検出されており、沢水は飲料に適さないと思います。今年も昨年同様猛暑の夏となりそうです。ペットボトルを冷凍庫で凍らせ、リュックに入れて登ると、いつまでも冷たく美味しい水で喉を潤すことができます。ぜひ登山の前には冷たい水を準備してください。吾妻連峰ではハクサンシャクナゲが見頃になってきました。吾妻連峰や安達太良連峰に登り大汗をかいた後は、土湯峠近くの鷲倉温泉や新野地温泉、野地温泉に立ち寄って日帰り入浴がおすすめです。なお、日帰り入浴はいずれも午後3時までとなっております。